厚沢部町の歴史的建造物 |
平成16年から北海道教育委員会が「近代和風建築総合調査」を行っており、その基礎資料を業務として作成したこともあり、町内の古い建造物はだいたい把握していたつもりであった。
が、まだ土地勘のないころに実施した調査だったので見落としもあろうかと、現地へ行ってみた。
現地でそれらしい古民家は探せず、旧所有者とおぼしき家の住人に尋ねたところ、数年前に解体したという。残念。
今は畑になっている。
依頼者によると当該住宅は、大正10年の建築という。
(参考:北海道建築士会編『北海道の開拓と建築』)
見たかった。
北海道建築士会檜山支部編集による『檜山民俗建築照相譜』にも掲載されている。
こちらは、旧南部家住宅。
所有者によると明治39年の棟札が見つかっているという。
今は『滝野庵』というおそば屋さんの店舗として使われている。
町外の利用者も多い評判の良い店だ。
全体的に厚沢部町内には戦前の建築物は多くない。
古そうにみえる民家の大半は、昭和25~30年頃の建築だ。
戦前から残っている民家は、ある程度名の通った家に限られる。
戦後、生活の余裕が徐々に戻りつつあった頃に、厚沢部の住宅建築ラッシュがあったのだ。