伊達千代『デザイン、現場の作法 デザイン力を鍛える仕事術』 |
DTPが完全に普及した現代のデザイナーに必要なスキルを「作法」として紹介する。
若手又は修行中のデザイナー向けの内容と思われるが、
(1)印刷屋さんと関わる仕事をしている人
(2)ポスター、チラシの作成をする人
(3)多くの人と関わりながらクリエイティブな作業を進める人
のいずれかにあてはまる仕事をしている人にオススメ。
学芸員は全ての条件に当てはまると思われる。
何となくは知っているけれどきちんと調べていないこと、「たぶん何かルールがあるに違いない」と思いつつも自己流でやっていることなどの多くが網羅されている。
入門書・概説書というよりも、すでに実務をこなしている方向けのハウツー本と考えた方がよい。
以下のような構成
CHAPTER1 デザインの「作法」
CHAPTER2 ワークフローの「作法」
CHAPTER3 画像データの「作法」
CHAPTER4 フォントの「作法」
CHAPTER5 アプリケーションの「作法」
CHAPTER6 印刷の「作法」
CHAPTER1、CHAPTER2、CHAPTER6あたりは業務への役立ち度が高い。
即効性のある「作法」が網羅されている。
CHAPTER2にある「メールの書き方で仕事量が変わる」は、もはやデザインとは直接関係なく、「仕事術」に関する内容になっている。
こういうことも含めて「デザイン」という仕事が成立しているのだ、という執筆者の信念が感じられる。